コロナ禍以降、企業はデジタル・トランスフォーメーションを加速させています。ITシステムは、その代表的なもので、テクノロジーの発達に伴い、その活用はますます広がりを見せています。
 対外的なものとして、Eコマースがあります。企業の商品や製品の直販サイトとして、主要言語に翻訳され展開されています。他方、社内向けには、従業員管理用と業務管理用などがあります。これらに加えて、コンプライアンスの浸透や研修用途から、Eラーニングとして社内の情報共有ツールを用いて社内啓蒙や研修などにITシステムが活用されています。
 ITシステムは、グローバル展開する企業においては必須のツールのため、システム内のテキスト情報やユーザー・インターフェースを世界共通言語としての英語に置き換えるほか、その取扱マニュアルも併せて翻訳されています。今後、ITシステムの利用は一段と拡大していくものと思われます。

●社内のITプラットフォームの翻訳でグローバル化を促進

 グローバル企業では、ITシステムを活用してさまざまな社内共通プラットフォームを構築し、業務の効率化を図っています。主に、総務管理、業務管理、教育・研修等で利用され、具体的には以下の用途が挙げられます。

・総務管理:日報、スケジュール、勤怠、残業・休日申請、経費精算、会議通知、出張申請、
連絡事項
・業務管理:営業・受注・売上・利益管理、顧客管理、外注費・サプライヤー管理、
業務予定・進捗管理、
・Eラーニング:新入社員オリエンテーション・研修、コンプライアンス・倫理規定、
        システムのトライアル

 これらのプラットフォームは、本邦企業であれば世界共通語としての英語に、外資系企業の日本法人であれば日本語に訳して利用されるケースが見られています。デジタル・トランスフォーメーションの波のなかで、ITシステムの利用がますます拡大し、翻訳のニーズも高まっています。

 実際、翻訳する際には通常の文書翻訳と異なる部分が多くあり、以下はそのポイントとなります。

●ITプラットフォームの画面上のテキスト原稿を作成する

 ITシステムのテキストや文字ベースのユーザー・インターフェースを翻訳するにあたり、画面上のレイアウトがそっくりそのままスクリーン・ショットによって、付属マニュアル内に図示されている場合、そのマニュアルを翻訳することで、実際の画面のテキストを翻訳するのと同じビジュアルを得られます。

 しかしながら、画面と同じレイアウトを表示する付属のマニュアルがない場合は、画面上のテキストをエクセル・ファイル上に抜き出して、ソース言語(原文)とターゲット言語(訳文)の対照表の形で翻訳を行います。
 原稿の抽出は基本的にクライアント様の作業になりますが、別途料金にて翻訳会社がその作業を請負う場合もあります。

 画面上のテキストは、さまざまな位置に分散しています。テキストの位置関係がわからないと、例えば、翻訳したテキストをWEB上のプログラミング作業で反映する際、混乱が生じる可能性があります。

このため、画面上のテキストを抽出する場合は、画面のスクリーン・ショットを撮り、そのレイアウトに点在するテキストの塊に対して数字を振ります。これをナンバリングと呼びます。一方で、エクセル・シートに抽出したテキストは、それに対応する部分にも合番と呼ぶ数字を割り振ります。
 画面上の実際の位置関係に対応した対照表を作成することで、テキスト・ファイルの翻訳内容を別種のWEBメディアへ流し込む置換えがスムーズになります。

 また、社内用のプラットフォームでは、他の書類内や社内で独自に使用されている用語や表現が用いられている場合は、既に翻訳されている定訳を用いて、指示する内容の整合性を図ります。整合性が曖昧な状態の場合、ITシステムの効率化が損なわれてしまいます。このため頻出用語や社内用語は、クライアント様と十分な確認作業を通じて統一化を図ります。
 

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サイマリンガルでは、創業以来、ビジネス分野に注力してきた実績があり、ITシステムのプラットフォームの翻訳にも対応しています。
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