ハイテク技術の飛躍的な進歩によって消費者は最新のテクノロジーに接する機会が増えており、これらを上手に使いこなす上で、ユーザー・マニュアルは欠かせません。海外製品であれば、現地語版のマニュアルが用意されていますが、こうしたマニュアルのローカライズに大きな役割を果たすのが翻訳です。
また、マニュアルは使用説明書の他にも、ファミレス、スーパー、コンビニなどでのパートタイマー向けの作業手引書としてすっかり定着しています。ビジネス活動において経営効率を追求する必須アイテムであるマニュアルは、製造業の工場や宿泊業のサービス従事者向けなど、いろいろな場面で活用されています。特に、少子高齢化の影響による人手不足を解消するための特定技能労働者の受入れが盛んに行われており、各国語版のマニュアルを翻訳して作業の円滑化の一助とされているケースも見受けられます。
●モノを扱う対物と、ヒトを扱う対人向けのマニュアル
マニュアルとは、物事に対応する必要のある者に向けた標準化・体系化された手引書とされ、その用途は主に対物、対人に応じて大別されます。
一般消費者向け以外にも、事業者向けの機械や器具などの使用などで取扱説明書が活用され、海外向けの輸出品として現地向けに翻訳する必要があります。
また、行動や作業の定型・手順をまとめた手引き書としてのマニュアルがあり、主に新規労働者に対する共通の作業指示としての役割があります。グローバル化の進展により、国内企業の海外進出、海外企業の日本での展開、国内企業での多用な人材雇用において、マニュアルの翻訳機会が増えています。
特に、特定技能労働者を受け入れる看護・介護や農業、工場などの現場では、マニュアルの翻訳版を用意して業務の円滑化が図られているようです。
●マニュアルの翻訳のポイントは?
マニュアルは、機械翻訳で十分であると考えられますが、省略された文章の多いドキュメントに対して機械翻訳の精度が低くなる部分が多く、人が介在する翻訳の方がマニュアルの意図を正確に伝えられます。翻訳には、以下の点が主にポイントとして挙げられます。
①現地の文化・慣習を理解して言語を置き換える
マニュアルを翻訳する上で、現地の文化や慣習などを考慮に入れることが何よりも重要となります。原文の指示する用語や表現が、翻訳する対象国のものと異なる場合も往々にしてあるため、現地の事情を念頭に、最適な用語・表現を用います。
②内容の意図を正確に伝える
機械翻訳の例でみたように、マニュアルは箇条書きでリスト化されていたりと、非常に簡潔な文章で記述されているため、前後関係や主語がわかりづらく、機械翻訳では対応が難しい領域が多々あります。指示する情報に誤りがあると、マニュアルに欠陥が生じます。このため、人手による翻訳では、省略された主語や代名詞などを正確に理解しつつ、原文の意図を正確に反映するよう留意しています。
③過去の更新、類似品との整合性を押さえる
マニュアルの対象となる分野に専門的な知識を用いて翻訳を行うことはもちろんのこと、そのマニュアルをアップデートする、または類似品に属するものである場合は、過去の対象内容や類似品のマニュアルとの整合性を押さえることは、今後さらに内容を更新・追加する上でも重要になります。
④事前に用語集の用意があれば翻訳精度が高まる
マニュアル内で使用する用語、数値、表現が統一されていないと、伝達する情報があやふやになり、マニュアルとしての意味を成しません。マニュアル内に用語が定義されていることが望まれますが、定義リストがない場合は、事前に用語集を作成するなどして、用語統一を前処理として行うことで、翻訳の完成度が格段に高まります。
⑤ワン・ストップで多言語展開
マニュアルは、活用される言語圏向けに多言語展開する場合があり、翻訳会社ではワン・ストップでさまざまな言語版を作成しています。
サイマリンガルは、マニュアルを専門的に扱っています
サイマリンガルでは、創業以来、技術系の翻訳に注力してきた実績があり、技術関連のマニュアルや、教育訓練マニュアルなどのさまざまなマニュアル・取扱説明書の翻訳に対応しています。
各専門分野に精通した翻訳者を国内外に多数抱え、質の高い翻訳サービスの提供によって、海外市場に向けたビジネス発展のサポート役として力を発揮します。
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