第4次産業革命の到来により、モノ作りは日々、飛躍的な進歩を遂げています。IOT(Internet of Things)と呼ばれるモノのインターネット化やビッグデータ解析、AI(Artificial Intelligence=人工知能)、さらにロボティクスなど、これまでの電子工学や情報技術革新による第3次産業革命から、製造業を取り巻く環境は劇的に進化しています。
また、自動車の自動運転化、配達用ドローンやエア・タクシーの開発、これら最先端技術を支える半導体の極小・3D化など、製造業の現場では日々、開発が進んでいます。

 こうしたモノ作りのシーンでは、作業仕様書、取り扱い説明書、プレゼン資料などさまざまな技術文書が関係者の間で周回していますが、グローバル化の進展下、翻訳の必要性が高まっており、日進月歩で進歩する技術開発の一端を翻訳がサポートしています。

●技術系の取扱い文書は産業分野、工程などによって広範に及ぶ

 技術系書類がやり取りされる現場である製造業といっても、非常に多岐にわたります。総務省の日本標準産業分類の大分類では20に分類されます。そのうちの製造業をとっても、食料品製造、繊維、化学、鉄鋼、非鉄金属製造、生産用機械器具製造、業務用機械器具製造、電子部品・デバイス・電子回路製造、電機機械器具製造、情報通信機械危惧製造、輸送用機械器具製造など、24に中分類されます。

 その他、関連するものとして、建設業や卸売業・小売業(建築材料、鉱物・金属材料等卸売業、機械器具卸売業、機械器具小売業)、電機・ガス・熱供給・水道水、学術研究、専門・技術サービス業(土木建築サービス業、機械設計業、計量証明業)、サービス業(廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業)——など、広範にわたります。

 上記のように、製造・建設に関わる業種は大変多いなかで、翻訳書類としては、大まかに建設・土木、エネルギー(再生可能エネルギー、原子力規制)、産業・工作・精密機械、電子機器、輸送機器(自動車、鉄道、航空機)、素材・部材(プラスチック、ニッケル、螺旋)などが具体例として主に挙げられます。

 これらは、産業構造の段階でも、資材・部材、資源、卸し、組立、販売、開発、管理などによって分類されます。さらに用途別でも、作業関連(作業仕様書、取扱説明書、社内メモ、発注書、開発依頼書、検査報告書、品質管理文書)、PR関連(製品カタログ、HPや会社案内上の製品紹介、プレゼン資料)、論文(学術論文、学会資料、技術交流会資料)などに大別されます。

▼専門知識、最新技術のアップデート、社内用語への精通が重要

 産業分野やその工程によっても細分化されるため、対象となる特定の分野への高い専門知識が求められます。部品の名称から、化学薬品の取扱い、工作機械の動作、産業用ロボットの特性、半導体製造工程、原子力規制、建設図面の読み取りなど、まさに専門技術への対応力が翻訳の成否に直結します。

 しかも、製造技術はAIの普及によりかつてないほどのスピードで進化しており、最新の素材や技術に対応しなければ、翻訳が難しくなります。このため、翻訳者は日々、最新の開発動向をフォローし続けています。

 また、技術翻訳のなかで重要な要素の一つとして、企業内の社内用語にある程度親しんでおくことが挙げられます。代表例として、日本国内の大手自動車メーカーでは、作業工程や部材など独特な用語が用いられているものもあるとされており、対象企業の社内用語や商慣習なども考慮して翻訳に当たる場合もあります。

 ▼数値・単位・記号の表記や図面・表・グラフへの対応関係の正確性が重要

 高い専門性と伴に、数値・単位・記号などの正確な記載も、完成度の高い翻訳の前提となります。技術文書は、設計図等の図面であったり、多数の表やグラフが例示されていたり、また、カタログなど細かなサイズの差異によってリスト化されているものなど、テキストと同等、或いはそれ以上の数値データによって構成されています。翻訳に置き換える際は、単位の変換や、数値の記載などに細心の注意を払います。

 また、図面との位置関係や表・グラフなどの数値とテキストとの対応関係を正確に記載することも重要なポイントです。

▼関連業界や法令等の動向をモニタリング

 対象業種の事業内容への理解に加えて、各種法令等に精通しておくことも必要です。代表的なものに、国際規格を制定するスイスの非政府機関ISO(International Organization for Standardization=国際標準化機構。日本ではJIS規格として対応)をはじめ、IEC(国際電気標準会議)などがあり、これらの指針などを翻訳者は常に把握するよう努めています。

 サイマリンガルは、翻訳を通じて技術現場をサポート致します

サイマリンガルでは、創業以来、技術系の翻訳に注力してきた実績があり、作業仕様書、取扱説明書、品質管理文書、製品カタログ、プレゼン資料などのさまざまな技術系文書の翻訳に対応しています。
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