2020年に端を発した新型コロナウイルスの感染拡大が、当初の見通しを遥かに越えて長期化しており、これまで以上に医療や製薬業界の動向が注視され、社会的ニーズが極めて高くなっています。コロナウイルスの出現によって、医療体制や製薬業界の製薬プロセスなどが日々、メディアを通じて報道されるようになり、社会的な関心が集まっています。

コロナ関連の動向は医療業界において、非細胞性生物群を取り扱う生物学の一つとして分類されますが、それ以外にも医療・製薬業界は、医学論文や医療申請書類をはじめ、医療用機器や介護なども含め非常に幅広い分野に及びます。

しかも、医療・製薬業界では、日々目覚ましい勢いで技術進歩や新たな知見が生み出され、さらにグローバル化・デジタル化の拡大の中で加速しており、翻訳の果たす役割が非常に大きくなっています。

●医療・製薬は専門性が極めて高い分野

医療分野には医療、製薬、ライフサイエンス、バイオ、医療機器と分野により大別される一方で、学術論文、医療・製薬申請書、報告書、マーケティング資料、マニュアルなど用途によっても多岐にわたります。翻訳のニーズのある文書には以下のようなものがあります。

◇報告書:病理検査報告書、医療検査報告書、健康診断受診表
◇治験・申請関連文書:治験実施計画書、治験薬・治験機器概要書、照会事項回答、同意説明文書、eCRF入力ガイドライン、治験契約書、治験総括報告書、安全性報告書等
◇添付文書:副作用症例報告書、CIOMS
◇製剤関連文書:外用剤の処方設計、分析法開発、安定性試験、薬事申請、薬効試験、安全性試験等の関連文書
◇医療マーケティング関連:インタビューガイド、対面インタビューのオープンアンサー
◇医療機器関連:超音波、顕微鏡、放射線治療装置、産科デバイス、バイアル検査機、eCRFなどの装置・機器等のマニュアルや製品カタログ
◇医学論文:医学論文、学会プレゼン資料

これらの翻訳を扱うのが、所謂、メディカル・トランスレータ―と呼ばれ、高度な専門分野に特化した分野を扱う翻訳者になります。言語能力に劣らない専門知識が必要とされる翻訳にあたって、主に以下のようなポイントに翻訳者は留意しています。

▼生命に直結する情報の扱いには慎重さが求められる

医療・製薬関連の書類は、人の生命に直接的に関わる分野であるだけに、原文の内容が非常にデリケートであり、しかも高度な医学用語によって記述されているのが特徴です。また、体の感じ方は沢山の表現があり、それらもしっかりと汲みして現地の言葉に置き換えなければなりません。翻訳者は自身の専門知識をフル活用し、かつ、誤訳やケアレスミスがないよう冷静・慎重に翻訳に当たっています。

▼高度な専門用語は正式名称で正確に翻訳

母国語で書かれている原文でも理解が困難な文章によって構成されている医学文書は、専門用語が多用されています。これらの用語の一助として、例えば国際的な医学用語集である「MedDRA」があります。薬品の名称に関しては、一つの薬品に対して化学名、一般名、商品名と3通りの呼び名があり、ケースに応じて正確に翻訳する必要があります。

▼情報を常にアップデート

昨今のコロナ禍で見られているように、膨大な論文が生み出され、また、歴史上類を見ないスピードで新薬が開発されるほど医療現場での情報は飛躍的に新規更新されています。翻訳者には、新しい医療技術、医療機器、医学の進歩に日々アップデートすることも求められています。

▼治験の総括報告書のガイドライン

医療関連の書類には、さまざまな厳しいガイドラインなども設けられており、それらを熟知しておくことも翻訳する上でも重要となります。代表的なものとして、ICH(医薬品規制調和国際会議)であったり、厚生労働省や各学会のガイドラインなどがあります。

▼学術論文にはネイティブチェックと翻訳証明のニーズがある

学術論文は往々にして研究者が自ら英文で執筆するケースが多く、その場合、ネイティブチェックの要望があります。その際は、翻訳会社で要望に応じて、ネイティブチェック証明書を発行します。

 

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サイマリンガルでは、関連省庁および全国の大学病院・病院・研究所・製薬会社などから信頼されている、極めて精度が高いと評判の医学・医薬に専門的に対応した翻訳会社です。
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