1. アル・アインの文化遺跡群(アラブ首長国連邦)

    2011年にアラブ首長国連邦で初めて登録された世界遺産。砂漠地帯でありながら新石器時代より人間が定住していた痕跡として、高度な灌漑システムや墓、日干しレンガの家が残されています。過酷な環境である砂漠地帯に、人類がいかに適応したのかを証明する重要な遺産です。

  2. ディライーヤのツライフ地区(サウジアラビア)

    ディライーヤは第1次サウード王国の初めての首都としても知られるオアシスの町。その中でもツライフ地区は、サウード王家の宮殿や行政機関が置かれ、権力の中心はとして栄えていました。土構造の建造物の遺構は今なお当時の面影を残し、訪れる者に当時の繁栄をうかがわせます。

  3. サナア旧市街(イエメン)

    バーバルヤマンをくぐり、城壁を囲まれたサナアの旧市街に一歩足を踏み入れれば、突然中世へとタイムスリップしたような錯覚に陥るかもしれません。ステンドグラスを配したいびつな建物、入り組んだ石畳の細い路地……ここには、103のモスク、64のミナレット、12のハンマーム、そして人々の暮らしが、中世のままの姿で残されています。

  4. アル・ヒジュルの考古遺跡(マダイン・サーレ)(サウジアラビア)

    2008年7月に登録された世界遺産。紀元前1世紀から紀元後1世紀頃にナバタイ人によって築かれた墳墓として知られています。

  5. スコトラ群島(イエメン)

    スコトラ群島はアラビア半島の南、アデン湾に位置する、4つの島、2つの小島からなる群島。独自の生態系をもつことで知られ、スコトラ島に生息する爬虫類や、カタツムリの90%以上は現地にしか生息しない種類だといいます。さらに、渡り鳥も含めて海鳥の種類は192種にも達し、珊瑚礁は253種にも上ります。その豊かな生態系が評価され、2008年に自然遺産として登録されました。

  6. シバームの旧城壁都市(イエメン)

    不毛の砂漠に突然ぽっかりと浮かび上がる褐色の摩天楼。蜃気楼でも見ているかのような不思議な景観です。石の礎の上に日干しレンガを積み上げて造ったビルは、高さ約30mにも及びます。城壁内にはこのような高層住宅が500軒近くひしめいています。

  7. 古都ザビード(イエメン)

    13~15世紀にかけてイエメンの首都だったザビードは、町そのものがひとつの巨大な大学でした。819年アラブ世界で初めての大学が創設され、アラビア半島はもとより、遠くアフリカからも多くの学生が集まったといいます。当時の栄華を物語るモスクや住宅が今も残されていますが、保存状態があまりよくなく「危機遺産」のリストにも挙がっています。

  8. バハラァ・フォート(オマーン)

    12~15世紀にこの地を支配していたバヌ・ネブハン族が建設したもので、町を取り囲む城塞は、高さ50m、全長12㎞にも及びます。堅牢さが過信され放置されていたこの城壁も、1996年にようやく復旧の手が入りました。

  9. 乳香の道(オマーン)

    「失われた都市」ウバールは、コーランや『アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)』にも登場する伝説の町でした。1990年代衛星写真にかすかに写ったキャラバンの道をたよりに調査を進め、ルブ・アル・ハリ砂漠に紀元前1世紀頃の都市遺跡を発見、その存在が確認されました。サラーラ近郊のホール・ルーリには、シバの女王の宮殿跡も残されています。

  10. バット、アル・フトゥム、アル・アインの遺跡(オマーン)

    紀元前3000~2500年のネクロポリスの遺跡が点在しています。入口が上にしかない塔や、平べったい石を積み上げた墓などが発掘され、いまだに謎が多い遺跡として知られます。

  11. アフラージュ(灌漑用水路)(オマーン)

    オマーンには現在も使用されている灌漑用水路(ファラージュ)が3000以上あり、そのうちニズワ周辺の5つが、2006年に世界遺産に指定されました。流れる水はとてもきれいで、魚も泳いでいます。

  12. カラート・アル・バーレーン遺跡(バーレーン・フォート)(バーレーン)

    ペルシャ湾の要所であったこの場所には、4000年にも及ぶ人間の足跡が積み重なっています。最も古いもので紀元前2300頃の人の住居跡が見つかっており、中継貿易で栄えたディルムンもここであったと考えられています。現在残っているのは、16世紀にポルトガルが築いた城塞の跡です。

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