中国語について
様々な言語の中で中国語は歌うような言語とも称されるほど、中国語のアクセントは音楽的で美しい響きを持っています。歌が上手くない人には中国語会話の上達は難しいと言われるほどです。世界の人口が62億にのぼる現在において、中国の人口はその5分の1に相当する12億を占めています。そのうち漢民族が92%を占め、残りの8%である1億人は55の少数民族で構成されています。しかも方言間の差異は発音に特に現れ、誰にでも通用する共通語が不可欠です。こうした事情から1956年に共通語である「漢語」が制定されました。この漢語は北京語音(北方方言)を標準音とし、規範的な現代口語文を文法の基準とすると定められています。つまり、北京語を基本としているということになります。これは日本語でいう、標準語と東京弁の違いに似ています。
中国人の約70%はこの共通語を話すと言われていますが、残りの30%の人々はそれぞれの方言を話すことになります。これらの人々はマスコミや学校教育など公的な場では共通語を使い、プライベートな場では方言を話すなどして使い分けています。主な方言として広東語、上海語、福建語・台湾語、湖南語、カン方言、客家(ハツカ)方言、北京語の7大方言があり、その他に41の少数民族方言があると言われています。中でも広東語は広東省及び広西壮族自治区の一部・香港・マカオで日常的に使われているだけでなく、東南アジアをはじめとする中国系の人々の間で広く用いられており、耳にする機会も多いと思われます。