アルトゥル・ショーペンハウアー 哲学者
アルトゥル・ショーペンハウアー Schopenhauer, Arthur 1788~1860 ドイツの哲学者。
父は裕福な銀行家。独学に近い形で学問を形成、とくにインドのウパニシャッド哲学を学ぶ。1820ベルリン大の私講師となるが、ヘーゲル*の名声におされ引退、在野のまま一生を終える。その哲学は厭世観の哲学といわれる。世界は盲目的な生存意志にすぎない肉体が、時・空・因果律をとおして我々の治世に現れた<表象>として把握される。したがって、この世界は意志は常に生への意志であり、意志の疎外は苦を意味する。しかし、意志はつねに阻止されるものであるから、いっさいの生は苦であり、人生は悲劇であると説く。カント*・ヘーゲルの理性主義に対し、非理性的な意志を正面に打ち出し、理性的でないものが人間の内なる自然の性質であるとした。著作:「意志と表象としての世界」(2巻)1819、「余録と補遺」(邦訳「自殺について」「知性について」等)’51。
フリードリヒ・フォン・シラー劇作家・詩人
フリードリヒ・フォン・シラー Schiller, Johann Christoph Friedrich von 1759~1805 ドイツの劇作家・詩人。マールバハ生まれ。法学と医学を学ぶ。1780見習軍医となる。’81処女作「群盗」上演後、’82詩作を禁止さていた医官生活を捨ててマンハイムへ脱出。’83マンハイム劇場座付作者となり、’83「フィエスコの反乱」、’84「たくらみと恋」により、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒涛)時代の代表的劇作家となる。’85詩「歓喜に寄す」、’87戯曲「ドン・カルロス」により古典主義時代に入る。’87ワイマールに移り、歴史と哲学の研究に専念。’89イエナ大教授。以後、カント*哲学に没頭、一方ゲーテとの交遊 (’94~1805)により、雑誌「ホーレン」(1795~97)、「年刊詩集」 (’96~1800)を舞台に古典主義活動。1801「オルレアンの少女」等を発表し、ドイツ古典劇を確立。著作:歴史研究「オランダ離反史」1788、「30年戦争史」’95~’96、論文「素朴文学と感傷文学」’95~’96、戯曲「ヴァレンシュタイン」’99、「ヴィルヘルム・テル」1804、「ゲーテ・シラー往復書簡」’29。
リヒャルト・ゾルゲ 新聞記者
リヒャルト・ゾルゲ Sorge, Richard 1895~1944 ドイツの新聞記者・共産主義者。
①の孫。バクー生れ第一次大戦に参加。1919創立されたドイツ共産党に入る。’25モスクワに行き、コミンテルン情報局・ソ連共産党で活動。’30~’33「社会学雑誌」特派員として上海で情報活動、「フランクフルター・ツァイトゥング」特派員として’33来日、日本で情報活動を組織。’41尾崎秀実らとともに検挙され(ゾルゲ事件)、’44死刑。
マレーネ・ディートリッヒ 女優
マレーネ・ディートリッヒ Dietrich, Marlene 1901~92 アメリカの映画女優。
ベルリンに生まれ、ラインハルト演劇学校に学ぶ。ドイツでスタインバーグ*監督に認められ映画界入りし、1930渡米。頽廃的な美貌と声・曲線美等で人気があった。「嘆きの天使」(’30)、「モロッコ」(’30)が代表作。歌手としても「リリー・マルレーン」等のヒットがある。’70(大阪万博)、’74来日。
フリードリヒ・ニーチェ 哲学者
フリードリヒ・ニーチェ Nietzsche, Friedrich Wilhelm 1844~1900 ドイツの哲学者。
1869~79バーゼル大教授。初め文献学を研究、ギリシャ悲劇、ショーペンハウアー*の意志哲学の影響をうけ、リヒヤルト・ヴァーグナー*の文化運動に共鳴。普仏戦争に従軍後健康を?て大学を辞し、狂気のなかでワイマールに生涯を終?’73~’76「反時代的考察」でヨーロッパ文明の?批判、新たな天才の出現に価値の転換を?’83~’85「ツァラトゥストラはかく語りき」、’86「善悪の彼岸」においてキリスト教をヨーロッパ的人間の堕落の?とし永劫回帰思想による生の肯定、超人の理想?張。’84~’88未完の大著「権力への意志」で?意志を生の原理とする思想を展開、20世紀の?文学・思想界に深い影響を及ぼし、その美的個人?はナチスの指揮者理論の基礎づけに利用され、またハイデッガー*・ヤスパース*らにより、キルケゴール*とともに?在哲学の祖と目されている。著作:「悲劇の誕生」?「この人を見よ」’90。