スワヒリ語について
◎スワヒリ語は、東アフリカで広く庶民に使われています。ケニアでは、英語が公用語、スワヒリ語は共通語とされています。またタンザニアでは、スワヒリ語は公用語であり、共通語です。ウガンダは、英語が公用語、共通語ですが、スワヒリ語も使われています。また、ソマリア、コンゴ、ブルンジ、ルワンダ、マラウイ、モザンビーク、マダガスカルの一部の地域でも使われているといわれています。アフリカ大陸から離れ、インド洋に浮かぶコモロ諸島でも使われています。このスワヒリ語は、もともとスワヒリ人が話していた言葉でした。
◎スワヒリ語は、バンツー語群のうち、サバキ語群の中に分類されています。サバキ語群には、ミジケンダ語群(ギリアマ語、ラバイ語、カウマ語、リベ語、カンベ語、ジハナ語、チョニ語、ドゥルマ語)、ディゴ語、ポコモ語が含まれます。すべて、ケニア沿岸に住む民族の言語です。ほかのサバキ語群の言語と比べると、スワヒリ語は時制、名詞クラスに簡略化が見られます。歴史を通じて、アラビア人にも覚えやすい文構造になっていったのでしょう。 植民地時代から現在に至るまで、かなりの語を英語から借用しているとはいえ、アラビア語からの借用語が圧倒的に多く、イスラム教の影響が色濃く見られます。また、ペルシャ語、ヒンドゥー語、ドイツ語などからも借用があります。スワヒリ人の居住地が、南北細長く横たわっていたこともあって、いくつかのスワヒリ語方言があります。 スワヒリ語の表記法ですが、以前はアラビア語表記でした。しかし、スワヒリ語の音声どおりに、母音、子音が書き表せられないということもあって、キリスト教使節団体がローマ字を使い始めたことで、学校教育、出版においてローマ字表記が定着しました。