ミゲル・デ・セルバンテス 作家「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」

セルバンテス Cervantes Saavedra, Miguel de 1547~1616 スペインの作家。
アルカラ市の外科医の子として生まれたが、正規の教育は受けなかったらしい。1569イタリアに渡り枢機官の従僕になったが、’71レパントの海戦で負傷、その後帰国途上海賊船に捕らわれ5年間奴隷となる。
帰国後’88 <無敵艦隊> の食糧徴発員、’94グラナダ王国の徴税吏となるが、不手際で前後2回入獄。獄中1605「才知あふれるきょうし郷士ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」前編を書いたらしい。その後、この作品の盗作があらわれ、急遽後編を完成。’15この不朽の名作全編が出版された。他に「模範小説集」(’13)や戯曲等がある。

サルバドール・ダリ 画家

ダリ Dali, Salvador 1904~89 スペイン生れのアメリカの画家。
フィゲラス生れ。少年時代から画才があり、のち写実と抽象の相反する作風の作品を描き、しだいに幻想的傾向を現わす。1928パリに出てシュールレアリスムの洗礼をうけ、偏執狂的な幻覚を写実的に表現する作品で独自の位置を確立。’40以降はシュールレアリストたちと決別、アメリカに定住、市民権を獲得。第2次大戦後は、’48「レダ-アトミカ」等の原子力時代を象徴する一連の作品を発表したが、その後カトリックに帰依、イタリア-ルネサンス絵画への復帰を主張。ルイス-ブニュエルと合作で前衛映画「アンダルシアの犬」(’28)等も制作。舞台装置・商業デザイン等にも活躍。(著)自伝「サルヴァドール-ダリ秘められた生涯」1942。

パブロ・ピカソ 画家

パブロ・ピカソ Picasso, Pablo Ruiz y 1881~1973 スペインの画家。
父は美術教師。バルセロナで修業後、1900パリに出て本格的な絵画活動を展開。<青の時代>(’01~’04)、<バラ色の時代>(’05~’06)を経て、ブラックらとキュービズム運動をおこし現代絵画への途をひらき、さらにディアギレフのバレエ-リュスの美術を担当して活躍。その後は<新古典主義時代>(’20以降)を経て、シュールレアリスムに接近、<メタモルフォーズの時代>(’29~’31)を迎える。スペイン内乱中ドイツ軍の無差別爆撃に抗議して、’37大作「ゲルニカ」を描く。第2次大戦後はフランス共産党に加入、以後一貫して平和擁護・反戦運動に加担、’51「朝鮮の虐殺」、’52「戦争と平和」等を描いた。このほか彫刻にも傑作が多い。(作)絵画「老いたるギターひき」1903、「サルタンバンクの家族」’05、「アヴィニョンの娘たち」’07、「座るアルルカン」’23、「画家とモデル」’65。

ディエゴ・ベラスケス 画家

ベラスケス Velázques, Diego Rodríguez de Silva y 1599~1660 スペインの画家。
セビリアのポルトガル系貴族出身。11歳でF. エレーラにつき、のちパチェコの門下で修業、その娘と結婚。セビリア派のカラヴァッジョ・J. リベラ*の影響を受け写実風作品を描く。初期の傑作は「3聖王のキリスト礼拝」(1617)。’22マドリードに出てフェリペ4世の宮廷画家となる。P.P.ルーベンスのすすめでイタリアに渡り古典絵画やヴェネツィア派、とくにティントレットの影響をうけた。この期の大作は「ブレダの開城」(’37)。2度目のイタリア旅行(’48~’51)での成果は世界最高の肖像画といわれる「法王インノケンティウス10世」(’50)に集成。晩年は近代絵画に通ずる光線描写の新手法で、’56「女官たち」や’57「職女工たち」等の大作を発表した。

アントニ・ガウディ 建築家

ガウディ Gaudí y Cornet, Antonio 1852~1926 スペインの建築家。
1868以来、バルセロナで活躍。ゴシック様式を近代化し、蛇行する曲線や曲面を駆使し、多彩な装館によって、大胆な幻想的建築を創造した。(作)「サクラダ-ファミリア教会」(1883着工、未完)、「カサ-ミラ」1905~10、「グエル公園」’00~’14。

フランシスコ・デ・ゴヤ 画家

ゴヤ Goya y Lucientes, Francisco José de 1746~1828 スペインの画家。
20歳足らずでマドリードに出、のちの宮廷画家バイエウに学び、一時ローマに遊学。帰国後、当時のスペイン画壇の大御所メングスの下で宮廷織物工場の壁掛下絵を描き、1789宮廷画家となる。’92病気のため耳が聞こえなくなる。ベラスケスとレンブラントの影響をうけ、斬新な写実的表現で次第に地歩を確立、「裸のマヤ」(1800頃)のような肉体描写や肖像画に数多くの傑作を残す。肖像画の名作としては「国王カルロス4世一家」(’80)、「名優マーイケス」(1870)等。また、ナポレオン軍のスペイン侵入による戦禍に取材した「5月3日の処刑」(’14)等の傑作もある。他に銅版画にも秀で、「カプリチョス」(1796~98)等はその代表作。静養先のボルドーで客死。

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